本多研究室

　難分解性有機金属錯体のハイブリッド電解処理法の開発

ダイヤモンドの持つ非常に低い表面吸着特性と、OHラジカルを利用可能という特性を利用することにより、難分解性有機金属錯体を
　　　　　　無害化する処理法を確立しました。難分解性有機金属錯体（EDTA-銅錯体）に対して、電位をサイクリックに印可することにより、
　　　　　　錯体の金属（銅）イオンを卑電位で還元回収、有機配位子を貴電位にてダイヤモンド表面で生成するOHラジカルを利用して
　　　　　　完全酸化分解することが可能です。還元回収された金属イオンは、ダイヤモンド表面上で金属ナノ粒子となり、溶液中にナノ粒子として
　　　　　　分散します。フィルターにより銅ナノ微粒子として回収することができます。
　　　　　　錯体の金属イオンに応じて、金属ナノ粒子の剥離を促進する終端構造制御と、配位子を完全分解可能な電位を選択することにより、
　　　　　　あらゆる有機金属錯体の処理が可能です。


参考文献

1) Y. Yamaguchi, Y. Yamanaka, M. Miyamoto, A. Fujishima, K. Honda, J. Electrochem. Soc., 153 (12), J123-J132 (2006).
　　　　　　 　 “Hybrid Electrochemical Treatment for Persistent Metal Complex at Boron-doped Diamond Electrodes and Clarification of its Reaction Route”


特　許

1) 特許第4565182号　（特開2006-088011, 特願2004-275371)
　　　　　　　　発明者　：本多　謙介，西野　寛教，山口　陽子
　　　　　　　　発明名称：難分解性有機金属錯体の分解方法
　　　　　　　　出願人　：国立大学法人山口大学
　　　　　　　　出願日　：2004年9月22日